定型処理テンプレート(*.tpl)は、説明部、テンプレート定義部、デフォルト定義部の3パートで構成されます。定義部の構造は下記の通りで、これ以外の部分は全て説明部となります。
テンプレートのファイル形式は、060808 版以前はテキスト、060810 版以降は HTML (060810~: HTML4.01, Shift_JIS; 221013~: HTML5, UTF-8)になっています。060810 版以降でも従来のテキスト形式テンプレートを使用することが可能です。
ご自分でテンプレートを作成する場合、下記の基本構造をご利用ください。
#template { 処理内容 }
#default { 設定内容 }
テンプレートの概要や使用方法を HTML で記述します。テンプレート定義部やデフォルト定義部も、HTML の中に埋め込まれる形になっています。
テンプレート定義部は、実際の処理内容を記述します。処理内容は、基本的には SQLite の SQL 文そのものですが、ユーザが設定した値を検索条件とする部分をメタフィールドで記述するところが通常の SQL と異なります。
メタフィールドとして使用可能なフィールドは、登録適用部テーブル内の次の5種類です。sonota メタフィールドは、sakumotsu, byochu, yoto, zaikei 以外の検索条件を直接記述します。
sakumotsu : 作物名 byochu : 病害虫名 yoto : 用途 zaikei : 剤型 sonota : その他
メタフィールドには、SQL 文への展開方法が異なるリスト型メタフィールドとエレメント型メタフィールドの2種類があります。
リスト型メタフィールドは、設定値をそのまま in 演算子の引数とする場合に使用し、<field> の形で指定します。
たとえば、作物名をユーザ指定する場合は、
sakumotsu in (<sakumotsu>)
と指定しておけば、作物名テキストボックスが「なす, ピーマン, トマト」の場合は、
sakumotsu in ('なす', 'ピーマン', 'トマト')
と展開されます。
リスト型メタフィールドは、1行内に異なる複数のメタフィールドを記述することができます。
エレメント型メタフィールドは、設定値を要素ごとに集約関数の引数とするような場合に使用し、[field] の形で指定します。
たとえば、病害虫名をユーザ指定する場合は、
max(case byochu when [byochu] then '●' else '' end) as [#byochu#],
と指定しておけば、病害虫雑草名テキストボックスが「べと病, うどんこ病」の場合は、
max(case byochu when 'べと病' then '●' else '' end) as べと病, max(case byochu when 'うどんこ病' then '●' else '' end) as うどんこ病,
と展開されます。
エレメント型メタフィールドは、要素数に応じて行数も増えるため、1行に1種類のみしか記述できません(同一種類であれば、複数記述することは可能)。また、SQL の構文上の制限から、FROM 節直前の一番最後のフィールドとして指定することもできませんので、ご注意ください。
メタフィールドは、フィールド名を '#', '/', '%', '!' で挟むことにより、フィールド内容の展開方法が変わります。
シングルクォートで囲まれた部分の最初のカンマ(,)の前までを取り出します。上位分類一括検索時に、フィールド名として代表作物名を取り出すときに使用します。
たとえば、
'なす(露地栽培),なす,なす科野菜,野菜'
は
なす(露地栽培)
となります。AS 節のフィールドエリアスとして使用することが多いため、抽出結果にシングルクォート(')は付与されません。
フィールド内容を REGEXP 演算子用の正規表現として展開します。たとえば、
べと病,うどんこ病,灰色かび病,菌核病,斑点細菌病,褐斑病,炭疽病
なら
'べと病|うどんこ病|灰色かび病|菌核病|斑点細菌病|褐斑病|炭疽病'
のように、単純に区切り文字を ',' から '|' に変換してシングルクォート(')で括るだけです。「○○ムシ」を指定しただけで「○○ムシ幼虫」や「○○ムシ成虫」まで含めてマッチさせたい場合などに使用します。
ただし、REGEXP 演算子によるマッチングは遅いので、成虫や幼虫を全てを指定してカンマ区切りのまま IN 演算子を用いた方が高速です。
フィールド内容を sakumotu, byochu メタフィールド向きの REGEXP 演算子用の正規表現として展開します。たとえば、
なす(露地栽培),なす,なす科野菜,野菜類
を
'(^|、|\()(なす\(?露地栽培\)?|なす|なす科野菜|野菜(類)?.*?).*?(\)|、|$)'
のように展開します。これで、上位分類一括検索が可能となるとともに、「ねぎ」で「たまねぎ」までマッチすることはなくなります。
フィールド内容を sakumotsu, byochu メタフィールド向きの NOT REGEXP 演算子用の正規表現に展開します。たとえば、
なす(露地栽培),なす,なす科野菜,野菜類
を
'\((.*、)?(なす\(?露地栽培\)?|なす|なす科野菜|野菜(類)?)(、.*)?を除く|施設|水耕'
のように展開します。sakumotsu メタフィールドでは、指定文字列に「露地」が含まれる場合は「施設」及び「水耕」が、指定文字列に「施設」または「水耕」が含まれる場合は「露地」が除外文字列として追加されます。
デフォルト定義部は、ユーザが条件を設定する項目の内、初期値を設定しておいた方が便利な項目の値を記述します。設定内容は、 フィールド名 = 設定値 の形で列挙します。
たとえば、用途に「殺虫剤, 殺菌剤, 殺虫殺菌剤」、剤型に「粒剤, 粉剤」を初期値として設定したい場合は、
yoto = '殺虫剤, 殺菌剤, 殺虫殺菌剤' zaikei = '粒剤, 粉剤'
と記述します。
処理内容によっては、テンポラリテーブルを作成した方が高速になったり、あるいはレコード-フィールド変換などのためにテンポラリテーブルを作成せざるを得ないときがあります。
しかし、ACFinder を開発者モードオプション(/d)付きで起動していない場合は、テーブル作成などの SQL 文は使用できません。このため、特定のテンプレートを実行するときだけ、一時的に開発者モードが使用できるコマンドが用意されています。
テンプレート定義部の先頭に下記のように記述することで、そのテンプレートは開発者モードで動作します。このコマンドは ACFinder に独自のもので、一般的な SQL データベースエンジンは '--' 以下をコメントとして扱います。
なお、このコマンドはSQLタブでも使用可能です。
#template { --/d 処理内容 }
テンプレートファイルの拡張子は .tpl となります。
<!DOCTYPE html> <html lang="ja"> <head> <meta charset="UTF-8"> <meta name="Author" content="**作成者名**"> <meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1"> <meta http-equiv="X-UA-Compatible" content="IE=Edge"> <link rel="stylesheet" href="template.css" type="text/css"> <title>ACFinder Template</title> <script type="text/javascript" src="template.js"></script> </head> <body onload="init();"> <h1>**テンプレートタイトル** (**バージョン(日付)**版)</h1> <p>**テンプレートの説明**</p> <form name="F1" action="#" id="cbox"></form> <!-- 混合剤出力形式:列分割 表示サンプル --> <table border="1" id="tcol"> <tr class="header"> <th>**カラム名1**</th> <th>**カラム名2**</th> <th>**カラム名3**</th> <th>**……**</th> </tr> <tr class="odd"> <td></td> <td></td> <td></td> <td></td> </tr> <tr class="even"> <td></td> <td></td> <td></td> <td></td> </tr> <tr class="odd"> <td></td> <td></td> <td></td> <td></td> </tr> </table> <!-- 混合剤出力形式:行分割 表示サンプル --> <table border="1" id="trow"> <tr class="header"> <th>**カラム名1**</th> <th>**カラム名2**</th> <th>**カラム名3**</th> <th>**……**</th> </tr> <tr class="odd"> <td></td> <td></td> <td></td> <td></td> </tr> <tr class="even"> <td></td> <td></td> <td></td> <td></td> </tr> <tr class="odd"> <td></td> <td></td> <td></td> <td></td> </tr> </table> <!-- 混合剤出力形式:セル内改行 表示サンプル --> <table border="1" id="tclb"> <tr class="header"> <th>**カラム名1**</th> <th>**カラム名2**</th> <th>**カラム名3**</th> <th>**……**</th> </tr> <tr class="odd"> <td></td> <td></td> <td></td> <td></td> </tr> <tr class="even"> <td></td> <td></td> <td></td> <td></td> </tr> <tr class="odd"> <td></td> <td></td> <td></td> <td></td> </tr> </table> <h2>設定項目</h2> <dl> <dt>■ **必須項目1**</dt> <dd> <p>**必須項目1の簡易説明**を指定します。<em>[必須]</em> <p>**必須項目1の詳細説明**</p> </dd> <dt>■ **必須項目2**</dt> <dd> <p>**必須項目2の簡易説明**を指定します。<em>[必須]</em> <p>**必須項目2の詳細説明**</p> </dd> <dt>□ **任意項目1**</dt> <dd> <p>**任意項目1の簡易説明**を指定します。</p> <p>**任意項目1の補足説明**</p> </dd> <dt>□ **任意項目2**</dt> <dd> <p>**任意項目2の簡易説明**を指定します。</p> <p>**任意項目2の補足説明**</p> </dd> </dl> <h2>設定例</h2> <div> <p><span class="button">設定読込</span>ボタンをクリックして、下記ファイルを選択してください。</p> <pre> **サンプル設定ファイル名**.arg </pre> </div> <h2>定義</h2> <dl> <dt>テンプレート定義</dt> <dd><xmp id="sql"> #template { /** ここにテンプレートの SQL を記載 **/ } </xmp></dd> <dt>デフォルト定義</dt> <dd><pre> #default { } </pre></dd> </dl> </body> </html>